体の痛みと脳の仕組み

(この記事は2019年1月31日に更新されました)

今日は、「痛み」と言う物に全般に関してお話ししたいと思います。

 

体の痛みと脳の仕組み

身体の痛み

 

痛みの仕組みについては未だに正しく理解されていないのが現状です。

どこかに痛みがある時、痛い場所に問題があるって普通考えますよね?でも、それは半分本当。半分ウソです。

痛みの原因は、ひとつじゃないのが普通です。

痛い場所に問題があるとは限りません。

痛みのメカニズム

 

脳が「痛み」という物をどのように作り出しているのかを見ていきましょう。

先ほども述べたように、 問題=痛みではありません。下の図を見て下さい。

18世紀の痛みの仕組み

 

足の痛みの神経が刺激されて、脳に痛みが起こってます。そしてコレは間違いです。

実は200年以上も昔に信じられていた科学なのですが、未だに多くの人がこれを痛みの仕組みとして理解してます。 

しかし現実はもっと複雑です。

脳は、身体が抱えている全ての『潜在的な危険』を総合的に判断して痛みの感覚を作り出しています。

脳が認識する危険の総量がある一定のレベルを超えると、脳は痛みを発します。

例えば、注射されるとき。
針の先が思った以上に太い事に気づいてしまい、しかもそれが皮膚にはいってくるのを見ながら、「うっ、ガマンだ!」なんて身体を固くして息を止めてると….. 凄く痛いですよね!

 

注射の痛み

 

逆に、 すごく上手な先生に当たって、「今日何食べたの?」なんて質問されながら、リラックスした状態で刺されると…同じ注射でも大して痛くなかったりします。

 

 

ここで脳が感じている『潜在的な危険』とは、針による皮膚の神経の刺激だけではなく、「眼から入ってくる情報」「過去の記憶」「病室の匂い」「酸素の低下」などが含まれます。

 

そして痛みの目的は、私達に危険が迫っている事を伝え、何か行動を起こさせる事なのです!

 

そして、それは多くの場合、必要以上に体を守ろうとする仕組みから起こっています。

『皮膚や痛い場所が刺激されているから痛い!』訳ではないのですね。

 

 

脳が感じる「危険」と痛み

 

私たちの身体は、これだけ安全な世の中であっても、ありとあらゆる物に『潜在的な危険』を感じています。

痛みの箇所に起こった変化(ダメージや不具合)はもちろん。

職場や家でのストレス、眼の疲れや左右差、三半規管の問題、昔の傷跡、呼吸、内臓の不調、運動不足、睡眠不足、一つ一つの関節の可動の悪さ、左右の脳の不均衡……. ありとあらゆるものが潜在的な危険要素になります

こういった脅威を多く抱えていると、体は痛みを発しやすくなります。

そこで、痛みに関して面白い事を書いてある本を見つけたので是非参考にして下さい。

 

A Guide to Better Movement: The Science and Practice of Moving With More Skill And Less Pain

統計上、痛みの症状が全く無い人であっても、その52パーセントは、最低でもひとつの椎間板が突出しているか、MRIによって確認できる異常を背中に抱えている。

同じようなMRIの研究で、今まで一度も腰痛を発症したことのない成人の3分の1は、背骨になにかしらの異常が見られ、60歳以下では20パーセントの人にヘルニアを確認する事ができる事が分かった。

痛みの症状が全くないホッケー選手を検査した結果、70パーセントの選手に股関節、骨盤の異常が確認できた。また、54パーセントの選手は股関節唇に損傷を抱えている。

統計上、痛みの症状がない20~68歳の60パーセントは膝関節になにかしらの異常を抱えている。

ひとつの研究では、何も症状がない人であっても、その23パーセントはローテーターカフを裂傷している事が分かった。これを書いた人はこの異常な数に対して、ある程度までは加齢とともに起こる極当たり前の磨耗として考えられるべきで、痛みの原因や機能低下には繋がらないと結論づけている。

痛みの自覚が全くない、オーバーヘッドモーションの多いアスリートは、40パーセントが利き手のローテーターカフの一部もしくはその全幅にわたり裂傷を抱えている。利き手じゃない方にこの裂傷は全く見られず、どちらも痛みを発していない。
調査から五年後。 誰一人として問題となる症状や、痛みを発症していない。

この様に、たとえ痛みの自覚がゼロであっても、 成人の身体を MRI でチェックすれば、ほぼ確実にどこかしらに異常が確認できる。

主要な関節に起こる殆どの退後性の変化はごく自然な物であり、人生においては当たり前に予測できるもの。

必ずしも痛みを発するとは限らない。

 

 

 

痛みの神経?脅威の神経?

 

「痛み」=『身体のダメージ』ではない事がお判りいただけたかと思います。

 

でも、「身体には痛みの神経があるじゃないか!」と思われた方。

実は、痛みの神経と言う物はありません。

存在するのは『危険を感じる神経』(侵害受容器)なのです!

もしこれが、直接痛みを感じる神経だとしたら、全身常に痛くてたまらないのです。なぜなら、すべての「危険を感じる神経」は、常にある程度刺激されている状態にあります。

 

その刺激は、全てが痛みとして認識される訳ではありません。
脊髄や脳幹で抑制され、または視床下部で意識に上げるべきか否かを調整されているのです。

また、腰には特に多くこの神経が配置されています。そのため、ストレスレベル(危険要因)が上がったときに痛みを感じやすいのは「腰」なのです。

慢性痛は何故起こる?

 

痛みはニューロンのコネクションです。

脳は何か行動を起こさせるためのシグナルとして痛みを作り出します。しかし、新しくニューロンを繋げて痛みを作り出すのは脳にとってエネルギーがいる作業です。

そこで、昔使ったことのある回路を使います。

そのため、そこに問題がなくても、一度痛い思いをした箇所などは傷みを発し易くなります。
仕事や家庭で物凄いストレスにさらされた時、同時に昔の腰痛が戻ってきたりするのです。

 

正しい知識で身体と向き合う

 

いかがでしたか?

 

実は、痛みに関する認識も、痛みの感じ方に影響します。「痛みがあるから、体に問題がある。」そう信じる事が、痛みをより強くします。

そういった意味で、このブログが皆さんのお役に立てればという思いで書かせて頂きました。

 

「あぁ○○が痛い!たぶん、何か問題があるんだな。」
お医者さんに行って診てもらえば、何かしら、原因は特定されます。
 

 

しかし、先程見ていただいたように、誰しもが体をチェックすれば問題はでるものです。そして、その問題が本当に体にとって問題なのか、もう一度考えて見て下さい。ブロック注射を打つ、手術をする事だけが解決策ではありません。
 

外科治療を否定するつもりはありませんが、手術で作った傷は、逆にその後大きな問題として体に残ります。

是非その前に、信用できるフィジカルセラピスト、ボディワーカーを見つけて相談することをお勧めします。

長くなりましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました。




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ABOUTこの記事をかいた人

H.K.T

1989年3月12日産まれ。現役JRA騎手、自身の身体の不調を治し、パフォオーマンスを極限まで高める為に渡米、最新の脳神経学から身体を変えるトレーニングZ-healthを学ぶ。本業の傍、アスリートや身体の不調に悩む人へのトレーニング指導も行なっている。